大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和38(さ)2 判決

主 文

原略式命令を破棄する。

被告人を罰金二万五千円に処する。

右罰金を完納することができないときは金二百五十円を一日に換算した

期間被告人を労役場に留置する。

事 実

堺簡易裁判所は、被告人に対する同庁昭和三七年(い)第二七二号傷害被告事件

につき、昭和三七年六月一二日、被告人は昭和三七年二月二五日午後七時二〇分頃

堺市a町b丁c番地パチンコ店d会館においてA(当二一年)と些細なことより口

論の末矢庭に果物用ナイフを以て同人の顔面等に切りつけ因つて同人に加療一〇日

乃至一四日間を要する右顔面下顎骨部、口唇部切創等の傷害を与えたものである、

との事実を認定し、刑法二〇四条、罰金等臨時措置法二条、三条、刑法一八条、刑

訴三四八条を適用し、被告人を罰金四万円に処する、右罰金を完納できないときは

金二百五十円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する、比の罰金に相当す

る金額を仮に納付することを命ずる、との略式命令をし、被告人は即日右略式命令

の告知を受け、その罰金に相当する金四万円を仮納付し、右略式命令はその後正式

裁判の請求期間の経過により同年六月二七日確定するに至つたものであることは、

記録上明らかなところである。しかし、刑法二〇四条、罰金等臨時措置法三条一項

によれば、傷害罪の罰金の法定刑の最高額は二万五千円であるから、これを超過し

て被告人を罰金四万円に処した右略式命令は明らかに法今に違反し、かつ被告人に

不利益であるといわなければならない。されば、本件非常上告はその理由がある。

よつて、刑訴四五八条一号但書により原略式命令を破棄し、被告事件につき判決す

るに、原略式命令によつて確定された傷害の事実につき法令を適用すると、右事実

は刑法二〇四条、罰金等臨時措置法二条一項、三条一項に該当するから、所定刑中

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罰金刑を選択し、被告人を罰金二万五千円に処し、刑法一八条に従い、右罰金を完

納できないときは、金二百五十円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

よつて、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

検察官 玉沢光三郎公判出席

昭和三八年六月二七日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 斎 藤 朔 郎

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